電気が使えるまで~その裏側~
電気を使いたい。
そう思えば、手元のスイッチ一つで、照明や空調などの電気機器は動きます。
家や事務所の中まで電気が通っているのだから当然、と思われるかもしれませんが、
その電気を通す設備は、東京電力だけのものではありません。
住宅であれば、ハウスメーカーさまが手配して電気配線を施工しますし、
工事現場であれば、建設会社さまが手配して仮設電源用の配線を用意します。
~ 全ての電気が使えるのは、東京電力とお客さま、それぞれの設備の「合作」です ~
このコラムでは、電気が届くまでの裏側を紹介したいと思います。
1.責任分界点
あまり聞き慣れない言葉かもしれません。
責任分界点とは、東京電力の設備とお客さまの設備をつなぐ点、設備の接続箇所です。
責任分界点を設けることで、それぞれの設備が損傷した場合どちらの責任で修理するのか、範囲を明確にしています。
お互いが設備を用意し、当社がそれらを接続することで、初めてお客さま構内(敷地内)へ電気が行き渡ります。
引用 : 関東電気保安協会 HPより(例:架空高圧供給)
https://www.kdh.or.jp/safe/document/knowledge/hp_equipment03.html
この図では示されておりませんが、お客さま構内にある電力量計(メーター)と、アンペアブレーカーは、電力会社の設備です。
※集合住宅やテナントビルの場合、オーナーさまがご用意される、各お部屋用の電力量計もございます。
2.電力会社の設備
2-1.設備の構成
電気をお届けするまで、発電・送電・変電・配電と大きく4つに設備が分かれています。そのうち、弊社東京電力パワーグリッドが担当しているのは送電・変電・配電です。
発電所で作られた電気(発電)を、鉄塔や送電線などを通じて運び(送電)、お客さまの需要に合わせて変電所で電圧を変更し(変電)、さらに電圧を細かくして隅々までお届けする(配電)。こんな流れになっています。
よく見かける電柱には、配電線6,600Vとそれを変圧した配電線100V or 200Vが通っています。
電気を安定してお届けするのが私たちパワーグリッドの使命ですので、そのための設備が損傷したら、全身全霊で復旧にあたっております。損傷がなくても、安定供給が妨げられないよう、日々設備の点検・更新とそのための技術を磨いております。
ただ、甚大な被害の場合、どうしても復旧に時間がかかる場合もございます。
以下の記事は、2019年9月・台風15号での復旧作業に従事した社員のインタビューです。復旧に時間はかかりましたが、弊社社員がどんな想いで取り組んでいたのか、少しでも感じ取っていただければ幸いです。
◆東京電力報
・令和元年台風をこえて 〜前編〜
https://www.tepco.co.jp/toudenhou/pg/1535176_9043.html
・令和元年台風をこえて 〜後編〜
https://www.tepco.co.jp/toudenhou/pg/1535725_9043.html
2-2.弊社設備にまつわる数字
弊社の配電線は地球9周(約36万km)に達します
弊社の送電線は地球1周(約4万km)に達します
この数字を見て、どう感じますか?
社員である筆者から見ても、膨大な設備だと思いますし、これだけの使命と責任を背負っているのだ、と改めて感じます。
身近に見える弊社の設備は、電柱・電線が多いと思いますが、それらをたどると、とても多くの場所、とても多くの人々につながっているのです。
3.お客さまの設備と「修理・更新」
お客さまの設備と言っても、家庭や事務所・オフィスなど、規模も内容もさまざまです。
ただ、どんな設備であっても、電気工事士などの有資格者の方が施工しています。
不自由なく電気が使える裏側には、弊社だけでなく、多くの方々の技術力があります。
有資格者の方の施工は、お客さまの設備が損傷した場合も同様です。1.でご紹介した通り、責任分界点を境にして設備の責任がどちらにあるのかを明確にしているからです。
3-1.個人向け
とはいえ、誰に施工を頼めば良いのか、分からないケースもあると思います。
そこで、範囲はご家庭に限りますが、弊社では「電気設備の保守・保安トラブル対応サービス」をご提供しております。
こちらのサービスでは、分電盤の点検・漏電の調査や古くなったコンセント・スイッチの取替えなどを有償で行っております。
詳しくは、以下のページをご覧ください。LINEやチャットでも24時間お問い合わせを承っております。
◆電気設備の保守・保安トラブル対応サービス
https://pgservice1.tepco.co.jp/
3-2.法人向け
ご家庭だけでなく、工場やビルなどの法人の方向けにも、電力ケーブルの取り替えなど「修理・更新」を行っています。
ご家庭と違い、工場やビルでは、電気主任技術者のみなさまが電力設備の管理を担当されていますが、 受変電設備の経年劣化などトラブルが起きた際に、ご自身だけで対応できないこともあると思います。
東京電力グループでは、下記のようなサービスをご提供しております。施工を依頼する会社に迷っていたり、設備のことで相談する人がいなかったり、そんな時はお気軽にご連絡ください!
◆東京電設サービス(株)
・受変電設備更新工事(お客さまニーズに沿った最良設計による設備構築)
https://www.tepco.co.jp/pg/consignment/partners/category-g/05-j.html
・特別高圧受変電設備のメンテナンス(コンサル~点検・診断・修理~監視制御までメーカー問わず対応)
https://www.tepco.co.jp/pg/consignment/partners/category-g/01-j.html
◆東電タウンプランニング(株)
・電気設備診断サービス(CVケーブル活線診断 ほか)
https://www.tepco.co.jp/pg/consignment/partners/category-e/02-j.html
◆(株)関電工
・受変電設備工事
https://www.tepco.co.jp/pg/consignment/partners/category-g/06-j.html
◆(株)東光高岳
・特別高圧受変電設備の新設・更新
https://www.tepco.co.jp/pg/consignment/partners/category-g/02-j.html
◆(株)東京エネシス
・受変電設備更新工事
https://www.tepco.co.jp/pg/consignment/partners/category-g/07-j.html
4.まとめ
電気が使えるまでに、東京電力とお客さまによる設備の「合作」があること、伝わりましたでしょうか?
みなさまが不便を感じることなく電気をお届けすることが、私たち東京電力パワーグリッドの使命ですが、その使命にはみなさまの技術も欠かせません。そして、みなさまの技術をお手伝いすることも、私たちができることの一つです。
「電気が届くまで」に少しでも興味を持っていただければ幸いです。